小さい子どもはよく「見えている」と言われますが、うちの息子が小さい頃にも「見えているな」と思うことがありました。
家で遊んでいるときもご飯を食べているときも、よく床の間に向かっておじぎするので
「誰かいるの?」
と聞いたら
「あーちゃん」
と答えます。
うちの息子は、自分と同年代くらいの小さい子どものことを、名前が何であろうと全員「あーちゃん」と呼ぶんです。
誰もいない部屋で、誰かと話していたり、気味の悪いことが結構ありました。
また、お盆に実家に帰省した時は、仏壇を指差して
「じーじ、じーじ」
と言っていました。
仏壇の写真に写っているのは、息子が生まれる前に亡くなった祖父です。
もしかしたらその時も見えていたのかもしれません。
またある時は、夜中に突然目を覚まし、怯えたように宙を指差して
「こわい、こわい!」
と泣くこともあります。
私には何も見えませんが気休め程度に
「あっち行け!」
と叫びながら手を振って払うこともありました。
また別の日の夜中には、息子が何か恐ろしい姿を見たようで
「ここだよっ!」
と宙を指さしながら叫ぶので
「もういないよ、大丈夫」
と言ったら
「いるじゃん!ここっ!」
と返されて…。
そのときは本当に鳥肌が立ちました。
息子も成長し小学校に上がった頃、私が仕事から帰ってくると
「ママ、お客さんだからお酒出してあげて」
と言われ
「誰も居ないよ」
と言うと息子は
「お酒出してあげないから、おじちゃん帰っちゃった」
ということを言うのです。
そんな事が頻繁に起こっていたのですが、ある日私にもはっきりと見えてしまいました。
6歳くらいの男の子の姿が。
台所で料理をしている時に何か気配を感じて振り向くと、後ろに立ってじっと私を見つめていました。
「帰りなさい」
恐怖を感じる間もなく口からふっと言葉が出てきて、私が驚いている間に、その男の子はスーッと消えてしまいました。
それからはおかしな事も起きなくなりました。
あーちゃんはどこか別の家に行ってしまったんだと思うようにしています。
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