かなり昔の話になりますが…。
彼女と時間を忘れ、河原で花火をしていました。
向こう岸から子供たちの遊び声が聞こえ、彼女と
「子供たち楽しそうだね」
なんて他愛無い会話をしていたのですが、しばらくして何か違和感を感じました。
声の聞こえる範囲が、300m程度に及んでいたためです。
黙り込んでしまった私に
「どうしたの?」
と彼女は尋ねてきました。
「そういえば、向こう岸ってお墓だよな…」
彼女に向かって、自然と答えていました。
その途端、子どもたちの声が止みました。
不気味に感じましたが、まぁ気のせいだろう、ということで場所を変えることにしました。
川から少し離れた道を行くと、闇の中に赤提灯が浮かんでいました。
神社・仏閣好きの私が嬉々として駆け寄ると、それは水子神社でした。
恐ろしくなってしまって、その日は帰ることにしました。
それから数日後の深夜、大学の同級生5人と、海へドライブへ行きました。
埠頭から海を眺めていると、海の向こうから子供の泣き声が聞こえてきました。
驚いた私は、すぐ車へ向かいました。
一緒にいた友人も驚いて追ってきました。
不審がる彼に向かって私は尋ねました。
「何か聞こえなかった?」
「そういえば子供の泣き声が聞こえたなー」
友人との間で出た結論は、猫の声、ということになりました。
ただ数日前の体験があっただけに、今でも腑に落ちません。
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