【怖い話】閉店後の喫茶店

あまり怖くはないですが、私が実際体験した話です。

学生の頃、喫茶店でバイトをしていました。

この喫茶店は、店長が毎日早番で店を開けて、夜の店閉めは遅番のバイト二人でしていました。

ある日、課題がたまりにたまっていた日。

家に帰ったら確実に寝てしまうため、バイトが終わってからタイムカードを押して店内に残って課題をやろう、と思い立ちました。

その日一緒にバイトに入っていた子には、課題をやった後に自分が消灯と鍵閉めをしてから帰る旨を伝えて、先に帰ってもらいました。

ちなみにこの喫茶店の閉店時間は22時だったと思います。

片付けや売り上げ計算を終え、バイトの子が帰ったのは23時。

終電まで1時間以上あったし、1時間もかからずに終わる課題でした。

ホールの真ん中の席につき、ノートを広げ筆箱を出したところ、カタカタ、とトイレの戸が鳴ってるのに気付きました。

そういえば、店内に一人でいるのは初めてだったから今まで気付かなかったのですが、このトイレは店の一番奥に設置されていて、換気扇がトイレの中にあります。

なので、換気扇から入ってくる風で鳴ってるのだろう、と思い課題に取り掛かることにしました。

課題を始めて5分経ったくらいでしょうか。

トイレの戸は相変わらず音を立ててますが、ガタガタ、とちょっと音が強くなっています。

ちょっとうるさいな、と思いながら、一回トイレの戸の方をちらっと見てまたノートに視線を落とした瞬間

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

と、トイレの戸が明らかに換気扇の風では鳴るわけがない音で鳴りました。

まるで、数人の人間が、トイレの内側から思いっきり戸を叩いているような…。

これにはヤバイと感じて、机の上に出してたものをバッグにしまって、急いで店を出ました。

次の日、バイト先の先輩に

「昨日こんなことがあったんですけど…」

と話してみると

「そういえば、ここの先輩で霊感強い人がいたけど(私の入る前に辞めた人です)、この店はいるって言ってたわ~」

とあっさり言われました。

そういえば、お客さんがいる時もホールから

「すみませーん」

て呼ばれて、条件反射で

「はーい」

って返事して、声がした方を見ても誰もこっちを見てない…。

水を注ぎに行きつつ様子を伺ってみても、誰も用はなさそう…。

一応キッチンの人に

「呼んだ?」

って聞いても

「呼んでないよ?」

という事がよくありました。

コメント