【怖い話】いつまでも居座る義父

今から二年前の話です。

夫の父親、つまり義理の父が自室で首をつって自●しました。

部屋の片付けも済ませ、葬儀も終えたのですが、その部屋にはいつまでも義父がいるような気がしました。

他の家族もそう感じていたらしく、気味が悪くて神社に頼んでお祓いをしてもらいました。

私にとっては義理の父親ですが、実の家族からも気味悪がられてしまう義父は、なんだか少し可哀想な気がしました。

ただ義父は当時アルコール依存症で、無理やり専門病院に入れた家族を恨む遺書まで残していたので、家族としては義父に申し訳ない気持ちがあったそうです。

それもあり、見えないのに感じる義父の存在を怖く思ったのかもしれません。

私は少し霊感が強いのですが、お祓いをしている最中、突然ものすごく涙が出てきて困りました。

●んでしまった自分が家族から気味悪がられ、自分の部屋にいることを許されず、除霊によって無理やりに懐かしい我が家から立ち去らなければならない義父の悲しみが、一気に私の中に流れ込んできたんです。

自●してしまったことを悔やむ気持ち、家族を恨む遺書を残してしまったことに対する後悔、もう本当に愛する家族と触れ合えないのだと実感してしまった悲しみ、取り返しのつかないことをしてしまったという気持ち、色々な感情がうずまくのを感じました。

何より「家族を愛していたのに…!もう一度家族と仲良く話したい…!」

という悲しみが強かった気がします。

私が泣いてるんじゃなくて、義父が泣いていたんです。

自分が暮らした懐かしい部屋。

何年も執着を持たれるのも困りますが、亡くなってしばらくは懐かしむ時間があってもいいですよね。

人は●んでから49日はまだこの世にいるといいます。

せめてその間くらいは、この世を懐かしむ魂を温かく見守ってあげたいものですね。

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