以前付き合っていた彼氏が住んでいた、新築のマンションでのことです。
建物自体は新築ということもあってとても綺麗だったのですが、部屋の中は、なぜかずっとどんよりとした雰囲気があって、入るたびに胸がざわつくような嫌な感じがしていました。
窓は閉まっているのに、勝手にドアがバタンと閉まったり…。
その部屋にいるときだけ、金縛りにもよく遭いました。
しかも金縛り中に誰かの話し声が聞こえることもあって、本当にさんざんでした。
元彼も少し霊感があったようで、「ベッドで寝てたら子どもがピョンピョン跳ねてる感じがした」と話していました。
ほかにも一度だけ幽体離脱のような体験もしたことがあって…。
その日は体がものすごくだるくて、何もする気になれず、横になっていました。
すると突然、自分の意識がスーッと体から抜けていく感覚があって。
気づけば、目の前には天井の板。
「あれ?浮かんでる…?」と。
これまでつらかった体の重さが、嘘のように消えて楽になっていました。
そして自分のまわりが、まるでピンク色の真綿のような、柔らかくて温かい何かに包まれていて。
それは言葉にできないほど心地よくて、安らかで。
その時なぜか
「ああ、このまま●ぬんだな」
「●ぬって、こんなに気持ちいいものなんだな」
と思ったのを覚えています。
しばらくふわふわとしていたのですが、元彼に揺り起こされ、現実に引き戻されました。
元彼いわく気づいてから数秒程度の時間、私は息をしていなかったそうです。
意識が完全に戻ると、またあのだるさが体に戻ってきました。
元彼とお別れしてそのマンションを離れてからは、良い方向に少しずつ変わっていきました。
嫌な感じがしても「きっと気のせい、気にしないようにしよう」と心がけてからは、金縛りもほとんど起きなくなったんです。
あとで聞いたのですが、霊ってキョロキョロしたり、ビクビクしてる人に「この人、霊感あるかも」って思って近づいてくるんだそうです。
もしまだ見えていないなら、できるだけ「知らないふり」をしていた方がいいそうです。
見えるようになってしまうと、戻れなくなることもあるらしいので…。
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