幼い頃より見て来ました。
これは、幼少期のおそらく見え始めの頃の話なんですが…。
まだ恐怖感など何も知らない頃の出来事です。
幽霊や、オバケなんて何も知らない年齢でした。
家の近くのお堂のある原っぱで、近所の子供達と遊んでいました。
鬼ごっこをしていたと記憶しています。
でも私はその日、体の調子が良くなかったみたいで、一人端っこでドラム缶に腰掛けていました。
楽しそうに走って遊んでいる幼馴染たちを、特に何をするでもなく見つめてました。
ただその時私が見ていたのは、宙に浮かぶスゴイ顔の女性でした。
その女性は、白い着物を着ていて、髪もバサバサ、顔が半分は崩れていたようでした。
今思い出すと強烈なんですが、幼少期の私は怖いと思ってなかったんです。
私はただただぼんやりと、みんながその女性から逃げて遊んでいると思っていました。
宙を舞う女性は、皆に手を伸ばして掴もうとしてましたから。
腰から下、足元は透けていた感じ。
全体的にも透け感がある感じで。
幼い私は怖いという感情も何もなく、みんなその女性と遊んでいる、その女性と鬼ごっこをしていると本気で思っていました。
夕日が射してきた頃、姉が私の発熱に気付き、すぐに帰宅しました。
その後、数日間寝込んだのを覚えています。
随分幼い頃ですが、物心はついていた年齢でした。
あの日、みんなも一緒に見ていたとばかり思っていたその女性を、私以外誰も見ていないことを知った時、悩みもしませんでしたし、驚きもなかったのですが
「何で?見えてなかったのかなぁ?」
というのが、幼い私の正直な気持ちでした。
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