もう何年も前の話ですが、中学校で見たことがあります。
学校のトイレで、女の子の姿が一瞬だけ鏡に映り
「誰かが後ろにいる」
と思って振り返りましたが、誰もいませんでした。
もちろん、個室の中にも誰もいませんでした。
その女の子は、おかっぱ頭でセーラー服を着ており、普通の生きている人間と変わらない姿でした。
「確かにはっきり見たけど…変だなぁ」
教室に戻った後、友達にも話して再度トイレを見に行きましたが、やっぱり誰もいませんでした。
その後何度もそのトイレを利用しましたが、あれから見ることはなく、いつの間にか忘れていきました。
次にあったのは2年生のとき。
今度は見たわけではありませんが、合唱コンクールの練習時にそれらしきことがありました。
前後2列に並んでいて、私は前列にいました。
歌っていたら突然、髪を束ねていたところをトントン、と触られました。
誰かと思って振り向いても、近くに人はいませんでした。
前列と後列はいくらか離れており、私の髪に触ってから後列に戻ろうとしても、すぐに振り向けば犯人の姿を見ることが出来るはずでした。
ですが、後列の人は皆真面目に歌っており、わざわざ私に悪戯をしに来た人はいないようでした。
そもそも指揮者が全員を見渡せる位置にいたので、誰かが悪戯をしようと動けば、指揮者が注意していたはずです。
歌い終えた後、隣にいた友達に話そうかどうしようかと思っていたら、その友達がこう言いました。
「今歌ってたときさ、誰が後ろにいるような圧迫感がなかった?」
35人であるはずのクラスに、36人目が紛れ込んでいたのではないかと、私はそう思っています。
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