【怖い話】この猫、可哀想なの

かなり昔の話ですが、一度だけ霊現象を経験したことがあります。

その日は仕事のトラブルに見舞われ、夜中の2時過ぎにようやく帰路に就くことができました。

私の家はマンションの7階です。

エレベーターで7階に上がり、へとへとな状態で家に向かっていると、家の前に猫を抱いた女性が立っていました。

私には妻も彼女もいないのでかなり不審に思いましたが、いかんせん家の前なので、仕方なく近づいていくと

「この猫、可哀想なの…」

突然女性に話しかけられました。

とても綺麗な若い女性でした。

猫を覗き込むと、猫ではなく、その女性の手の指が両方3本ずつしかありませんでした。

見なかったことにして気を取り直し、答えようもないので、とりあえず家の鍵を開けました。

その女性が入って来ないように、ドアを開ける前に振り向くと、そこには誰もいませんでした。

エレベーターまで30mはあります。

咄嗟に飛び降りたかと思い下を覗きましたが、何の形跡もありません。

そしてエレベーターも7階に止まったまま…。

不思議と怖さはありませんでしたが、あの女性はなんだったのでしょうか。

コメント