私の家族の話ですが、ドッペルゲンガーらしきものを見たそうです。
兄が中学生の頃、車用の橋の下を通るコンクリートの土手を走っていたときのこと。
橋の真下に行った時、何の気なしに上に目線をやって、次に前に向くと、自分と同じ服装の同じ背格好の子が自転車にまたがり、同じ体勢で止まって居たそうです。
当時地元では、カマキリハンドルと言われる自転車のハンドルが出始めた頃で、まだ仲間内でも兄だけしか買ってもらえておらず、仲間内だけでなくても台数はめちゃめちゃレアなはずです。
ドッペルゲンガーっぽい子の自転車も、同じカマキリハンドル。
同じ色の服、同じカマキリハンドルの自転車、同じ体勢で、お互いが鏡の前に居るように様子を伺っていたそうです。
辺りはちょうど夕方で、相手の顔も少しぼやけ始めて見える程度の明るさ。
なんだか気味が悪くなった兄は、自転車の向きを変えて逃げ出したそうです。
幅広い土手で何も障害物がないので、逃げながら少し後ろを振り返ったら、相手も同じように凄い勢いで立ちこぎして必死に逃げながら、兄と同じようにこちらを少し振り返っていたそうです。
また、父も同じような体験をしていました。
家族で北海道に旅行に行ったときの話です。
私と母と兄は観光地巡りをし、父だけは登山をする予定でした。
「早く登りたい。制覇したい」
と前日の晩から言っており、翌朝早く旅館を出発して出て行きました。
ところが、帰ってきたら少し怖がっている様子で、まずお酒を1杯。
理由を聞いてみると、不思議な話が聞けました。
明るくなってから山の麓に着き、父は大喜びで登り始めたそうです。
登っていると、何人かの人が
「あれ?あなた、先程追い越して先に行かれた方ですよね?」
とバラバラに、七人ほどに同じ事を問われたそうです。
下りて来るときも
「二回目ですか?ご苦労さんです。」
と普通に言われたそうです。
地方から来ていたであろう団体さんにも
「さっき見た人だ」
「あんた、さっきも私らを抜いて行かんかったか?」
と言われたらしく。
さすがに気味が悪くなって詳細を聞いたら、顔も体型も服も帽子もリュックも、すべて父と同じだと言ったそうです。
登山では挨拶がマナーとされており、父もしっかり実践しているのですが、その父らしき人物は急いでいる感じで、挨拶もお辞儀や手振りだけで通って行ったそうです。
父本人はソレには会えなかったそうですが、同じような体験をするとは、やはり兄と父は親子だな〜と、話を聞いて思いました。
コメント